サトシがこの先生き残るためには
飛行機で2時間。空港を出た途端に冷たい空気が雪崩れ込んできて、所々に積まれた白い塊にショウが目をまん丸くして、レンタルした車に辿り着くまでがなんだか長い道のりになりそうだった。
ビュウと冷たい風が前髪を持ち上げても、楽しそうにショウは笑って、「冷蔵庫みたい!」とはしゃぐのを潤と二人で見ていた。
「さっむ…」
コートの襟を立てて、首を竦めた潤の手を握る。
「ショウ、楽しそうだね?」
「あぁ…良かったな?」
潤やサトシとは違って、願って願って願って、まるで神様が願いを叶えたかのように鳥になるショウは、いつまで鳥になって羽ばたけるのかはわからない。だからだろうか?ショウの子どものままの時間は長くて、とってもゆっくり成長するショウに付き合っていけるのは僕らくらいだ。
ショウが雪を丸めて僕にポイッと投げた雪玉が、ポフって当たって無邪気にケラケラ笑う。僕も負けじとショウの足元に雪玉を投げると、雪の欠片がショウに当たって「冷たぁい」とまたケラケラ笑う。一頻り雪玉で遊んで、もうちょっと遊びたいと言いたげなショウの手は真っ赤になってて、「霜焼けになる前に手袋買わないとな」って潤が笑った。
「ショウ、楽しい?」
「うん!楽し~い」
ショウの冷たい手にはぁ~って息をかけて、車に乗ろうかと手を繋いで、ほっぺたまで赤くなったショウは興奮のせいか、目まで赤くなっていて、「今はダメだよ?」って言ったけど、レンタカーの中であっという間に羽ばたいていたから、ショウの耳には僕の注意は届いていなかったみたいだ。
サトシマニア必見!最新情報
毎日UPしていくのは、なかなか難しいですが、
今年はまずこちらのお話を終わらせてから
次へ行こうと思います
BLになります
N*
それからすぐにサトシに会う機会があった。
メイと近くの公園から帰って来るときに自宅に入っていくサトシを見かけて、、
あ、と思った瞬間に
「サトシくん!」
って、メイが声をかけていた。
メイに声をかけられ、
「サトシくん、遊ぼっ♫」
そう言われたサトシは、一緒に俺ん家に来てひとしきり遊ぶと、
「メイちゃん、もうお風呂入るわよ!」
母さんにそう言われて風呂に入る準備をするメイに
「ちゃんとあったまってこいよ。」
と、頭を撫でてこっちへ来た。
「なんかごめんね?」
「何が?」
「家に帰るとこだったのにうちに来る羽目になって。しかも時間も遅くなっちゃったし。」
「いいよ、俺もメイちゃんと遊べて楽しかったし。おばちゃんの飯また食えたし♫」
「、、、そっか。」
「それに、、、、」
そこまで言って、言葉が繋がらないサトシを不思議に思って見れば
「、、、っ、、、。」
じっと俺の方を見つめるサトシと目があって、
なぜか俺も目をそらせなくなってしまった。
少しの時間だったのか、
長い時間だったのか、
目線を外したのはサトシで。
目線は外したけど、
「やっぱりカズナリに会えると嬉しいしな。」
そう言って俯くサトシの顔はちょっと照れていて。
その照れた顔にこっちまで照れそうになる、、、
や、、えっ?
なんで俺照れんの?
自分で自分がよく分からないで居る俺に
智の手が伸びてきて
「ほっぺ真っ赤だぞ?」
両頬を大きな手で包んだ。
momo
サトシに賭ける若者たち
飛行機で2時間。空港を出た途端に冷たい空気が雪崩れ込んできて、所々に積まれた白い塊にショウが目をまん丸くして、レンタルした車に辿り着くまでがなんだか長い道のりになりそうだった。
ビュウと冷たい風が前髪を持ち上げても、楽しそうにショウは笑って、「冷蔵庫みたい!」とはしゃぐのを潤と二人で見ていた。
「さっむ…」
コートの襟を立てて、首を竦めた潤の手を握る。
「ショウ、楽しそうだね?」
「あぁ…良かったな?」
潤やサトシとは違って、願って願って願って、まるで神様が願いを叶えたかのように鳥になるショウは、いつまで鳥になって羽ばたけるのかはわからない。だからだろうか?ショウの子どものままの時間は長くて、とってもゆっくり成長するショウに付き合っていけるのは僕らくらいだ。
ショウが雪を丸めて僕にポイッと投げた雪玉が、ポフって当たって無邪気にケラケラ笑う。僕も負けじとショウの足元に雪玉を投げると、雪の欠片がショウに当たって「冷たぁい」とまたケラケラ笑う。一頻り雪玉で遊んで、もうちょっと遊びたいと言いたげなショウの手は真っ赤になってて、「霜焼けになる前に手袋買わないとな」って潤が笑った。
「ショウ、楽しい?」
「うん!楽し~い」
ショウの冷たい手にはぁ~って息をかけて、車に乗ろうかと手を繋いで、ほっぺたまで赤くなったショウは興奮のせいか、目まで赤くなっていて、「今はダメだよ?」って言ったけど、レンタカーの中であっという間に羽ばたいていたから、ショウの耳には僕の注意は届いていなかったみたいだ。