やっぱり人気が高い夜空♪その訳は・・♪
夜空 暮らしをいろどり、住まいをまもる。
臣side
HIROさんから、
がんちゃんと俺へ旅館貸切どんちゃん騒ぎ券…って言ったら大袈裟かもしれないけど、
周りを気にせずゆっくりしてこいと誕生日プレゼントをくれた。
そして、あれよあれよという間に旅館に来ていた。
ここはあっこの地元。
HIROさんが気を遣ってくれたのがわかる。
贔屓にしてるホテルや旅館が全国にあるのに、
わざわざあっこの地元を選ぶなんて、あえてとしか思えない。
メンバーだけじゃなく、HIROさんまで背中を押してくてれる。
でも、
行こうと思えば行ける距離にあるはずなのに、なかなか動けずにいた。
どうすれば伝わるのか。
今度こそちゃんと話さなければいけないのに、
そう思えば思うほど頭の中がグッチャグチャになる。
この空、見てるのかな。
東京よりとても寒いけど、
この空気をあっこも体感しているんだ。
どんより曇り空。
俺の心みてぇ…
あっこと離れてバラ色の日々が灰色になった。
俺の灰色なんて、あっこのモノクロの世界と比べたら
全然大したことない。
あっこの色を取り戻すのは俺だけだって思ってるのに、
どうして俺っていつもこうなんだろう。
メンバーが傍にいてくれて多少気は紛れるけど、
ぽっかり空いた心は埋まらない。
楽しさ半分、あとの半分は…。
上手く伝えられる自信もなければ、
考えもまとまらなくて、
あと一歩の勇気が出ないまま、旅館内をウロウロしてるしかなかった。
ただボーッと中庭を眺めていた。
「……に、願い事すると叶うんだって」
「………は?」
ボーッとしていた俺に後ろから真琴が声を掛けてきた。
「だから、流れ星に願い事すると叶うんだって!
ほらここ、東京と違うから夜空綺麗そうじゃない?」
「こんな鉛色の空から星空なんか見えるわけねぇじゃん。
ってかお前、意外と乙女チックだな」
「今まだお昼なんだから夜はわかんないじゃん!
ってか!!お前じゃない!年上だし!ってか意外じゃないし!ってか元々乙女だし!!」
「そうだっけ?」
「ずっとそうだわ!!」
真琴が何事もなかったように陽気に話し掛けてくれるようになった。
そんな俺の口も絶好調。
「いつも健二郎くんと群れてるから男同士だと思ってたー」
「付き合ってますからね!!」
「じゃあ、健二郎くんのアホが直りますようにって願わなくちゃな」
「そうなのよねー、アホで困んのよ…
って、何で私の願いがそれなのよ!ちゃんと他にあるから!」
「別に興味ねぇけど、聞いてやるよ。何?」
「ずっと健二郎と一緒に入られますように♡だよ!」
「クソどうでもいいけど」
「聞いといて何よ!!ってか臣くんの願いは何よ?」
「俺の願い?決まってんじゃん。世界征服、だよ」
「…つまんないよ、ソレ」
超絶冷たい目でこっちを見ている。
「世界征服なんか、簡単だわ。三代目で世界取ってやるよ」
「まあ、スバラシイデスコト、ハハハ。
って、冗談なんか聞いてないし。臣くんの本当の願いはなんなのよ」
そんなの一つしかない。
俺の願い。
願いが叶うなら…
「俺は…願いが叶うなら、あいつの笑顔を取り戻したい」
「笑顔?あいつって…あっこちゃん?」
さっきとは打って変わって、
空気は真面目なトーンになった。
「俺に向けられることはあんまりなかったけど、
遠くからあっこの切ない笑顔を見るたび、胸がいっぱいになって苦しくなる。
何もかも全て取っ払って、心から笑って欲しい。
あの大好きだった笑顔を傍で見たいんだよ」
忘れることなんか出来ない。
俺に向けられたあの笑顔、また見たいんだよ。
「…う
、そうだね。でも願い事なのに自分じゃなくていいもんなの?」
、そうだね。でも願い事なのに自分じゃなくていいもんなの?」
「俺がしたことは、浅はかで自分勝手だった。
良かれと思ってたこと全てあいつを傷付けて泣かせて苦しめた。
あいつが味わった苦しみも悲しみも計り知れない。
比べられるモンじゃないってわかってるからこそ、俺はこのくらいは当然受けるべき苦しみだと思う」
「臣くん…」
「あっこが心から幸せに笑ってくれるなら、俺は苦痛でもどんな制裁でも罪でも受ける。
あっこを失う事ほど怖いことなんか何もない。
あっこの笑顔さえあれば、もうなにもいらない。
だから、笑って欲しい」
今までの事を思い返すと手にグッと力が入った。
「あんな苦痛を味合わせるためじゃなかった。ただ守りたかっただけ。
あいつが笑える日常を…
あっこが幸せに笑える日がくることが一番の願い。
あっこの幸せが、俺の幸せなんだよ」
「…そだね」
それ以外の願いなんかない。
「今まで自分の為に生きてきた。
自分の思うように生きて、歌って、日々をダラダラ過ごすのが自分だった。
自分が良ければ、それで良かった。
でもこれからはあいつの為に生きていきたい。
あっこの為に歌って、あっこの為に生きて、あっこと共に生きていきたい。
生きる全てにあっこがいるんだ。
そうでなきゃ、俺は生きてる価値なんかない」
それ以外の生きる価値なんてこの世に存在しない。
何よりも大事なのはあっこだけ。
共に歩いて、強くなっていく。
俺の思い描く未来には、笑ってるあっこがいる。
「あいつは、俺の光だった。
だから、これからもずっと俺の光だ」
「何それ、キザ…っ(笑)」
「…泣きながら笑ってんじゃねぇよ」
真琴は、いつの間にか泣いていた。
でも、泣いてるくせに笑ってる。
「キザだけど、臣くんらしいよ(笑)」
「キザは余計だっつーの」
「早く…伝わるといいね」
「…あぁ」
…ガタッ
後方の壁から物音がした。
振り返ると人影があった。
「……隆二?どうしたんだよ、ってか今までどこ行ってたんだ……よ、」
こっちに来てから姿のなかった隆二がいた。
隆二ともう一度話をしたいと思っていたのに、どこを探してもいなかった。
やっと来たのか…と、思った。
でも、その後ろには
「…あっこ!?」
こっちを見ていたのは隆二だけじゃなかった。
隆二の後ろにあっこの姿があった。
な、…何でここに?
「…今の話聞いてた、のか?」
恐る恐る聞いてみた。
ビクッとしたと思った瞬間、
あっこは目を合わせず、その場から逃げ出した。
「あっこ…!!」
俺の身体は咄嗟に動いていた。
next…
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